船釣りで電動リールを選ぶとき、シマノとダイワのどちらにするか迷っている方も多いのではないでしょうか。
長年船釣りをやってきた経験から言うと、どちらも優秀なメーカーですが、釣りスタイルや重視するポイントによって最適な選択は変わります。
この記事では、実際に両メーカーの電動リールを使い込んできた視点から、それぞれの特徴と選び方のポイントをお伝えします。

【結論】シマノとダイワの電動リール、どっちを選ぶべき?
結論から言うと、安定性と探見丸機能を重視するならシマノ、操作性と軽量性を重視するならダイワがおすすめです。
実際に東京湾や相模湾で両メーカーのリールを使ってきましたが、それぞれに明確な特色があります。シマノは故障しにくく深場釣りに最適で、ダイワは軽量で浅場のライト釣りに向いています。
どちらも優秀なメーカーなので、まずはあなたの釣りスタイルを明確にしてから選ぶのがベストです。
初心者・安定性重視な人はシマノがおすすめ
シマノの電動リールは、安定性と故障しにくさで定評があり、初心者から上級者まで幅広く支持されています。
実際に私の周りでも、シマノのリールが故障したという話はほとんど聞きません。特に船宿のレンタルタックルでも長年酷使されているのを見ると、その耐久性の高さがよくわかります。
探見丸スクリーンで釣りが変わる
シマノ独自の探見丸スクリーン機能は、対応船であればリールのディスプレイに魚群探知機の画像を表示できる画期的な機能です。
先月も相模湾のタチウオ船でフォースマスター600を使いましたが、海底の地形変化や魚の付き場が手元で確認できるため、仕掛けのコントロールが格段に楽になりました。
相模湾のタチウオ釣りで探見丸スクリーン使用
その棚に合わせて仕掛けを調整し、効率よくヒットさせることができた
故障しにくい安定性
シマノの電動リールは、比較的シンプルな構造で故障しにくい設計になっています。
長年使ってきて感じるのは、とにかく安定して動作すること。特にエントリーモデルは機能がシンプルな分、修理費用も安く済むのが嬉しいポイントです。
深場釣り・大物狙いに最適
シマノのリールは巻き上げレスポンスが良く、深場釣りや大物とのやり取りで真価を発揮します。
実際に大山沖のスルメイカ釣りで使った際、eセンタリングシステムにより仕掛けの落下が安定し、他の釣り人よりも早く底に到達できました。仕掛けを早く落とせた人が良く釣れる釣りなので、この恩恵は大きかったですね。
操作性・軽量性重視な人はダイワがおすすめ
ダイワの電動リールは、JOGパワーレバーによる片手操作と軽量コンパクト設計が最大の魅力です。
特に浅場のライト釣りや、一日中手持ちで釣りをする場面では、ダイワの軽量性が大きなアドバンテージになります。
JOGパワーレバーの片手操作
ダイワ独自のJOGパワーレバーは、片手で巻き上げ速度を自在にコントロールできる優れものです。
東京湾のアジ釣りでシーボーグ200Jを使った際、魚の引きに合わせて瞬時に速度調整ができ、ハリス切れを大幅に減らせました。慣れると本当に使いやすいですね。

軽量コンパクトで疲れにくい
ダイワのリールは同クラスのシマノ製品と比べて軽量に仕上がっているものが多く、長時間の釣りでも疲労が少ないのが特徴です。
特に最新のロープロ設計により、パーミング性(握りやすさ)も大幅に向上しています。手の小さい方でもしっかりとホールドできるのは嬉しいポイントです。
浅場・ライト釣りに最適
ダイワの電動リールはスプールのフリー性能が高く、軽いオモリでもスムーズに仕掛けが落ちるのが特徴です。
浅場のアジ釣りやタチウオテンヤなど、比較的軽いオモリを使う釣りでは、この性能差が顕著に現れます。オモリが道糸を引っ張る力が弱い状況でも、しっかりと仕掛けが落ちてくれるんです。
深場釣り・大物狙いな人におすすめシマノ4選
深場釣りや大物狙いには、パワーと信頼性を重視してシマノのリールを選ぶのがおすすめです。実際に使ってきた中から、特に優秀な4機種をご紹介します。
シマノ プレイズ 600|コスパ重視の初心者に
シマノ製小型電動リールのエントリーモデルで、必要十分な性能とリーズナブルな価格が魅力です。
知人の初心者アングラーにも勧めることが多いのですが、実際に使ってみるとパワーとスピードは必要十分で、超スロー巻き上げにも対応します。特に印象的だったのはレバー式ダイアルの操作性で、速度の微調整がしやすく、やりとりをする時にも安心して使えました。

船釣り入門の方や、とりあえず電動リールを試してみたい方には最適な選択です。機能もシンプルで迷うことなく使えるのが良いですね。
- 初めて電動リールを使う人
- コスパを重視する人
- シンプルな操作を好む人
- 近海の小物釣りメインの人
- 予算を抑えたい人
シマノ フォースマスター 600|探見丸で釣果アップ
近海での汎用性に優れるサイズ感と充実した機能が魅力で、探見丸スクリーン対応が最大のポイントです。
実際に東京湾のタチウオ船で使用した際、ムテキモータープラスの巻き上げトルクとスピードの高次元での両立に驚かされました。フォールレバーも搭載されているため、多彩な誘いができ、特にテンヤ釣りでは威力を発揮しますね。

探見丸対応船での釣りが多い方、または多機能なリールを求める方には最適な選択です。
- 探見丸対応船をよく利用する人
- タチウオやマダイ釣りメインの人
- 多機能なリールを求める人
- 釣りの精度を高めたい人
- 中級者以上の人
シマノ ビーストマスター 1000|レスポンス最高峰
1000番サイズながら3000番クラスのパワーと耐久性を備えた、レスポンス重視の高性能モデルです。
実際に剣先イカ釣りで使用しましたが、フォースマスター3000XPと同クラスのムテキモータープラスが搭載されており、大型青物とも十分に渡り合えるパワーを実感しました。上位機種のビーストマスター1000EJに搭載されている強化ギアシステムも採用されており、耐久性も抜群です。

パワーと軽量性を両立したい方、幅広い魚種に対応したい方におすすめの一台です。
- パワーと軽量性を両立したい人
- 青物狙いもする人
- 高性能なリールを求める人
- 長期間使える投資をしたい人
- 上級者の人
シマノ フォースマスター 3000|大型青物対応
旧モデルから耐久性を大幅に向上させた、大物釣りにも対応する本格派モデルです。
強化ギアシステムを組み込んだことにより、強い負荷への耐久力が飛躍的に高まりました。17フォースマスター3000XPのムテキモータープラスを継承しているため、モーター性能も成熟されています。探見丸スクリーンに加え、電動負荷表示や自動糸送り機能などの便利機能も魅力です。

大型青物や深場釣りがメインの方、最高レベルの機能を求める方に最適です。
- 大型青物狙いメインの人
- 深場釣りをよくする人
- 探見丸スクリーンを活用したい人
- 最高性能を求める人
- プロ・上級者の人
浅場・ライト釣りな人におすすめダイワ4選
浅場やライト釣りには、操作性と軽量性に優れたダイワのリールがおすすめです。実際に使って特に印象的だった4機種をご紹介します。
ダイワ レオブリッツ 200J|軽量で手軽に使える
ダイワ製電動リールのエントリーモデルで、軽量パワフルな巻き上げ力と優れた操作性が魅力です。
釣り仲間と比較使用してみたところ、小さなスペースで最大限のパワーを引き出すマグマイト構造とハイパワーなブリッツモーターにより、高い巻き上げ力を実感しました。手巻きでの巻き上げも滑らかで、片手での巻き上げ操作がしやすいJOGパワーレバーを搭載しており、操作性も優れています。

初心者の方や軽量性を重視する方、手軽に電動リールを始めたい方におすすめです。
- 軽量性を重視する人
- 初めて電動リールを使う人
- 手持ち釣りメインの人
- コスパを求める人
- ライト釣りメインの人
ダイワ シーボーグ 200J|ロープロで操作しやすい
ロープロ型になり軽量化とパーミング性が向上した、操作性重視の高性能モデルです。
実際に和歌山の加太沖で使用しましたが、搭載されるマグマックスモーターは、レオブリッツのブリッツモーターを凌ぐトルクとレスポンスを誇ります。マグシールドボールベアリングをスプールシャフト軸に備えているので、塩噛みによる回転性能の低下や固着を防げるのも嬉しいポイントです。

操作性と高性能を両立したい方、多機能なリールを求める方に最適です。
- 操作性を重視する人
- 多機能なリールを求める人
- 手の小さい人
- 浅場・軽いオモリメインの人
- 高性能モデルが欲しい人
ダイワ シーボーグ G300J|ジギングもできる万能機
従来の4倍の耐久性を誇るマグマックスGモーターを搭載し、電動ジギングにも対応した万能モデルです。
先月もE4号でメバチマグロ45kgを上げることができました。多少の技は必要ですが、モーターとドラグの耐久性は証明されたと感じています。ジャークパターンを設定できるジギングモードがあるので、オートマチックなジギングもできて便利ですね。

電動ジギングをやりたい方、幅広い釣りに対応したい方におすすめです。
- 電動ジギングをしたい人
- 幅広い釣りに対応したい人
- 高耐久性を求める人
- 大型魚も狙いたい人
- オートジギング機能を使いたい人
ダイワ シーボーグ 500MJ|変速で幅広く対応
ハイギアとローギアが切り替えられる変速機能を備えた、シングルスピードでは実現不可能な高性能モデルです。
実際に大阪湾の深場で釣りをした際、仕掛け回収時はハイギアで手返しを良くし、やりとりをする時はローギアのトルクで大型魚を浮かせられました。シングルスピードのリールでは実現不可能な、超ハイレベルでのスピードとトルクを両立したハイスペックな性能に驚かされます。

最高性能を求める方、変速機能を活用したい方に最適な選択です。
- 変速機能を活用したい人
- 最高性能を求める人
- 幅広い釣りに対応したい人
- 効率的な釣りをしたい人
- プロ・上級者の人
故障が心配な人が知っておくべきポイント
電動リールは精密機械なので、正しい使い方とメンテナンスで故障リスクを大幅に減らせます。
実際に釣具店で勤務していた頃によく受けた相談から、故障を避けるためのポイントをお伝えします。
シマノの故障傾向 | ダイワの故障傾向 |
---|---|
全体的に故障しにくい
シンプル構造で修理費安い
コネクター部の塩噛み
|
JOGレバー部は比較的丈夫
多機能モデルは修理費高い
内部回路の不具合稀にあり
|
長年使ってきた経験から言うと、巻き上げが途中で止まる場合の大半は、ケーブルの断線か船電源に起因するものです。ケーブルを交換したり、バッテリーを使ったりすると解決することが多いですね。
・使用後はすぐにシャワー(冷水)で洗浄
・ドラグを締め込んでから洗浄し、後で緩める
・コネクター部を綿棒で清掃しグリス補充
・長期保管時は乾燥剤と一緒に保管
特にコネクター部は塩が溜まりやすく、錆が発生して通電できなくなる場合もあります。釣行後は必ず清掃して、コネクターグリスを補充しておくことをおすすめします。
中古電動リール購入時の注意点
中古での購入はあまりおすすめしません。どのような使われ方をしていたか分からないですし、「数回使用しましたが合わなかった」との記載があっても、実際には使い込まれていてモーターがヘタっている可能性もあります。外見だけでは分からない部分も多いので、初心者は基本的には避けるべきですね。
電動リールとは?
電動リールは、モーターの力で自動的に仕掛けを巻き上げてくれる船釣り専用のリールです。
手巻きリールと違って、重いオモリや大型魚でも楽に巻き上げられるため、船釣りでは欠かせないアイテムになっています。特に水深50m以上の深場釣りでは、電動リールなしでは一日中釣りを続けるのは困難です。
電動リールの基本構成は、リール本体、バッテリー、接続ケーブルの3点セット。船の電源を使うこともできますが、安定した電圧でリール本来の性能を発揮するにはバッテリーがおすすめです。
・重いオモリでも楽に巻き上げ可能
・深場釣りでの疲労軽減
・一定速度での巻き上げで魚を寄せやすい
・水深カウンターで正確な棚取りが可能
現在では、アジ釣りからマグロ釣りまで、ほぼすべての船釣りで電動リールが活用されています。
まとめ|あなたのタイプ別おすすめ電動リール
シマノとダイワの電動リール選びで迷っている方に向けて、実際の使用経験を踏まえた選び方をお伝えしてきました。
最終的には釣りスタイルと重視するポイントで決めるのがベストです。
どちらのメーカーも優秀な電動リールを作っているので、大きく失敗することはありません。あなたの釣りスタイルに合わせて、長く愛用できる一台を選んでくださいね。
電動リールは釣りの楽しさを倍増させる便利なアイテムです。ぜひ、あなたにぴったりの電動リールを見つけて、快適な船釣りを楽しんでください!
