アジングにおいて、ライン選びは釣果を左右する最重要要素の一つです。1g前後の軽量ジグヘッドを使用する繊細なアジングでは、ラインの感度と操作性が直接釣果に影響します。
アジの微細なアタリを確実にキャッチし、瞬間的なアワセを決めるためには、伸びが少なく感度に優れたラインが不可欠です。また、釣り方やポイントの状況に応じて適切なライン素材を選択することで、より多くのアジと出会うことができるでしょう。
本記事では、エステル、PE、フロロカーボンなど各素材の特性から、具体的な商品選びまで、アジング用ライン選びの全てを詳しく解説します。

アジング用ラインを選ぶときに絶対見るべき5つのポイント
アジング用ラインを選ぶ際は、単純に高価なラインを選べば良いというわけではありません。あなたの釣りスタイルやターゲット、釣り場環境に合わせた適切な選択が重要です。ここでは、失敗しないライン選びの5つの重要ポイントを詳しく解説します。

釣り方に合わせたライン選択
アジングの釣り方によって、最適なライン素材は大きく変わります。ジグ単(ジグヘッド単体)の繊細な釣りにはエステルライン、重めのキャロライナリグやフロートリグにはPEラインが適しています。
1g前後の軽量ジグヘッドをメインに使用する場合は、水馴染みが良く感度に優れるエステルラインが最適です。一方、2g以上のジグヘッドやプラグ、遠投が必要なリグを使用する場合は、強度があり飛距離が出るPEラインを選択しましょう。
釣り方 | おすすめライン素材 | 理由 |
---|---|---|
ジグ単(1g前後) | エステルライン | 水馴染みが良く、感度抜群 |
重めのジグヘッド(2g以上) | PEライン | 強度があり、キャスト切れしにくい |
キャロ・フロートリグ | PEライン | 遠投性能と感度のバランスが良い |
プラグ | PEライン | ルアーの動きを的確に伝える |
ターゲットサイズに応じた号数選び
アジのサイズによって、ラインの太さ(号数)を使い分けることが重要です。豆アジをメインに狙う場合は細いラインで感度を重視し、尺アジクラスの大型を狙う場合は太めのラインで安心感を確保します。
エステルラインの場合、0.3号を基準に、豆アジメインなら0.2号、大型狙いなら0.4号以上を選択します。PEラインでは0.2〜0.3号が汎用性が高く、初心者にもおすすめです。
アジのサイズ別ライン号数の目安
豆アジ(10〜15cm):エステル0.2号、PE0.1〜0.2号
中型アジ(15〜20cm):エステル0.3号、PE0.2〜0.3号
尺アジ(25cm以上):エステル0.4号以上、PE0.3〜0.4号
釣り場の環境を考慮した選択
釣り場の環境によって、最適なライン素材は変わります。風が強い場所や足場の高い場所では比重の高いラインが有利で、根の多い磯場では耐摩耗性に優れるフロロカーボンラインが安心です。
また、深場でのアジングには高比重のラインが有効です。高比重PEラインやフロロカーボンラインを使用することで、ルアーを素早く沈めて底付近を効率良く探ることができます。
視認性(カラー)の重要性
アジングはナイトゲームやマズメ時がメインになるため、ラインの視認性は非常に重要です。暗い場所では白やピンク、イエローなどの明るいカラーが見やすく、ラインの動きを目で追いながらアタリを察知できます。
一方、日中のアジングではクリアカラーのラインが魚に見切られにくくおすすめです。最近では常夜灯下で光る蛍光カラーや、UVライトで発光するラインなど、視認性を向上させた製品も多数販売されています。
時間帯 | おすすめカラー | 特徴 |
---|---|---|
ナイトゲーム | ホワイト、ピンク、イエロー | 暗闇でも視認しやすい |
常夜灯下 | 蛍光グリーン、ブルー | 光源があると見えやすい |
デイゲーム | クリア、ナチュラル | 魚に警戒されにくい |
コストパフォーマンスとの兼ね合い
アジング用ラインは消耗品のため、コストパフォーマンスも重要な選択基準です。高価なラインほど性能は良いですが、初心者の場合はまず手頃な価格帯のラインで慣れることをおすすめします。
エステルラインは比較的安価で性能も良く、コストパフォーマンスに優れる素材です。一方、PEラインは初期投資は高めですが寿命が長く、長期的に見るとコストパフォーマンスは悪くありません。
また、釣行頻度や技術レベルに応じてライン選びを調整することも大切です。月に数回程度の釣行なら高価なラインでも元は取れますが、毎週釣行する場合は消耗を考慮した価格帯を選択しましょう。
ジグ単アジングに最適!エステルライン
エステルラインは、ジグ単アジングの代名詞とも言える素材です。ポリエステル素材を使用したこのラインは、アジングに求められる感度と操作性を高次元で実現しており、多くのアングラーに愛用されています。
特に1g前後の軽量ジグヘッドを使用する繊細な釣りにおいて、エステルラインの性能は他の追随を許しません。その理由を詳しく見ていきましょう。

エステルラインの特徴とメリット・デメリット
エステルラインの最大の特徴は、伸びが少なく水比重が高いことです。比重が約1.38と海水より重いため水馴染みが良く、軽量ジグヘッドでもしっかりとした操作感を得ることができます。
また、伸びが少ないため感度が抜群で、アジの微細なアタリも手元に的確に伝えてくれます。海中でのルアーの動きもダイレクトに感じ取れるため、障害物への接触やボトムタッチなども明確に分かります。
メリット | デメリット |
---|---|
感度が非常に高い
水馴染みが良い
軽量ジグでも操作感がある
飛距離が出る
価格が比較的安い
|
切れやすい(瞬間的な力に弱い)
硬いためライントラブルが起きやすい
重いリグには不向き
劣化が早い
扱いに慣れが必要
|
一方で、エステルラインは瞬間的な力に非常に弱いという大きなデメリットがあります。一定の負荷がかかると即座に切れてしまうため、ドラグ調整は必須です。また、硬い素材特有の問題として、スプールへの馴染みが悪くバックラッシュが発生しやすい点も注意が必要です。
エステルラインの太さ(号数)選び
エステルラインの号数選びは、感度・強度・扱いやすさのバランスを考慮することが重要です。一般的に0.15〜0.5号が使用されますが、初心者には0.25〜0.3号がおすすめです。
0.2号以下は感度が非常に高く、軽量ジグでも優れた飛距離を実現できます。しかし、簡単に切れるため扱いに慣れた上級者向けです。0.25〜0.3号は強度と扱いやすさ、飛距離などのバランスが良く、多くのアングラーに支持されています。
エステルライン号数別特徴
0.2号以下:最高レベルの感度と飛距離。上級者向け。
0.25〜0.3号:バランス型で初心者にもおすすめ。
0.35号以上:強度重視。大型アジやゲスト対応。
また、エステルラインには硬さの違いもあります。感度重視の硬いタイプと、トラブルレス重視の柔らかいタイプがあり、初心者には柔らかいタイプがおすすめです。
おすすめエステルライン6選
ここからは、実際の釣果実績と使用感に基づいて厳選したおすすめエステルラインを紹介します。それぞれの特徴を理解して、あなたのアジングスタイルに最適な一本を見つけてください。
D-PET AJING
エックスブレイドの「D-PET AJING」は、エステルライン入門者に最適なしなやかな使用感が特徴の製品です。一定の伸びがあるため、エステルラインに慣れていない人でも扱いやすく、それでいて軽量ジグの操作性や感度は十分に確保されています。
カラーは視認性の高い「失透ピンク」を採用しており、ナイトゲームにおいてラインが見やすいのも大きなメリットです。価格も手頃で、初めてエステルラインを使う方にとって理想的な選択肢と言えるでしょう。
- エステルライン初心者の人
- 扱いやすさを重視したい人
- ナイトゲームメインの人
- コストパフォーマンスを求める人
- ライントラブルを避けたい人
アンサー ルミナシャイン
ゴーセンの「アンサー ルミナシャイン」は、適度な張りを持ちつつ負荷がかかると伸びる設計により、トラブルが少ないのが特徴のエステルラインです。感度と扱いやすさのバランスが絶妙で、多くのアングラーに愛用されています。
特殊染料による集光機能を持ち、常夜灯下では抜群の視認性を発揮します。アジングの主戦場となりやすい常夜灯周りでの釣りにおいて、ラインの動きを目視で確認しながらアタリを取ることができます。
- 常夜灯周りでの釣りが多い人
- 視認性を重視したい人
- バランスの取れたラインを求める人
- エステル切れを減らしたい人
- ライン操作を目視で確認したい人
鯵の糸 ワンモア
サンラインの「鯵の糸 ワンモア」は、感度を最重視した硬めのエステルラインです。硬さによる扱いにくさはあるものの、繊細なアタリを捉えやすく、ダイレクトな操作感が魅力的な製品です。
特に深場でのアジングや微細なアタリを重視するアングラーにおすすめです。また、紫外線によって光る塗装がされているため、UVライトを併用することで視認性が大幅に向上し、精密なラインコントロールが可能になります。
- 感度を最重視したい人
- 深場での釣りが多い人
- ダイレクトな操作感を求める人
- UVライトを活用したい人
- エステルライン上級者の人
月下美人 TYPE-E
ダイワの「月下美人 TYPE-E」は、扱いやすさとトラブルレス性を追求して設計されたエステルラインです。糸質は操作性と感度が両立する硬さに調節されており、多くのアングラーにとって使いやすいバランスを実現しています。
カラーは昼夜を問わず視認性の良いホワイトを採用し、お試し用の月下美人ワンタッチリーダーが付属しているのも嬉しいポイントです。初心者でもすぐにアジングを始められる親切な設計となっています。
- 信頼できるブランドを選びたい人
- バランスの取れた性能を求める人
- リーダー付きですぐ使いたい人
- 昼夜問わず釣りをする人
- トラブルレス性を重視する人
エックスブレイド S-PET アジング
よつあみの「エックスブレイド S-PET アジング」は、素材特性を極限まで高めた高強力ポリエステル素材を採用したラインです。伸びが少なく感度が良い反面、抜き上げにも耐えられる強度を備えており、エステルラインの弱点である切れやすさを改善した製品です。
また、吸水性が低いため水を吸って劣化するスピードも遅く、長期間安定した性能を維持できます。失透グリーンカラーは適度な視認性を確保しながら、魚に警戒されにくいバランスの良い色調です。
- エステルの切れやすさが気になる人
- 長持ちするラインを求める人
- 抜き上げも安心してやりたい人
- コストパフォーマンスを重視する人
- バランスの取れた性能を求める人
34 ピンキー
人気アジングメーカー34の「ピンキー」は、エステル素材ならではの比重と伸度を活かして深場でも軽量ジグヘッドを操作できるように設計されたラインです。アジング専門メーカーならではのこだわりが詰まった定番製品として多くのアングラーに愛用されています。
カラーは人から見えやすく魚からは見えにくいとされるピンク色を採用。視認性と魚への警戒心軽減を両立させた実用的な設計となっています。軽いジグ単でも良く飛び、アタリの感度も優秀で、アジング入門者から上級者まで幅広く対応できる製品です。
- アジング専門メーカーの製品を使いたい人
- 深場での釣りが多い人
- 飛距離を重視したい人
- ピンクカラーの視認性を活用したい人
- 定番製品で安心感を得たい人
重めのリグに最適!PEライン
PEラインは、アジングで使用されるラインの中で最も伸びが少なく感度に優れている素材です。直線強度は他のラインの4倍近くあり、太さによってはジグ単からキャロ、フロートまで幅広く対応できる万能なラインと言えます。
特に2g以上のジグヘッドやプラグ、遠投が必要なリグにおいてその真価を発揮し、エステルラインでは不安な重めの仕掛けも安心して使用できます。

PEラインの特徴とメリット・デメリット
PEラインの最大の特徴は、圧倒的な直線強度と低伸度です。同じ太さの他のラインと比較して4倍近い強度を持ち、細いラインでも十分な強度を確保できます。これにより飛距離向上と感度向上を同時に実現できます。
また、寿命が長くコストパフォーマンスも優秀です。エステルラインのように頻繁な交換は必要なく、適切に管理すれば長期間使用できます。
メリット | デメリット |
---|---|
直線強度が非常に高い
感度が良い(張った状態で)
幅広いルアーに対応
寿命が長い
細くても強い
|
風に弱い(比重が軽い)
ラインが弛むと感度が落ちる
結束強度が弱い
耐摩耗性が低い
初期投資が高め
|
一方で、PEラインの最大の弱点は比重の軽さに起因する風への弱さです。空中や海面にあるラインが風に煽られるため、操作性や感度が一気に悪くなります。また、ラインが張った状態では高感度ですが、弛むと一気に感度が失くなるという特性も理解しておく必要があります。
高比重PEラインという選択肢
近年注目されているのが高比重PEライン(シンキングライン)です。特殊な加工や製法によって比重を高めており、PEとエステルの中間的な使用感を実現しています。
一般的なPEの比重は約0.98ですが、高比重PEラインは比重1.2〜1.4程度あり、風にもある程度強く軽量ジグヘッドでも糸を張った状態を維持しやすいのが特徴です。エステルラインの切れやすさが気になる場合の代替としても適しています。
PEラインの太さ(号数)選び
PEラインの号数選びは、使用するルアーの重さと釣り方によって決まります。ジグ単には0.1〜0.3号、キャロ・フロート・ジグには0.4〜0.6号が基準となります。
1〜3gまでオールラウンドに使うなら0.2号か0.3号がおすすめです。0.2号を下回ると繊細で扱いがシビアになり、0.4号以上になると軽いルアーが飛ばず風の影響も強く受けます。
PEライン号数別用途
0.1〜0.15号:軽量ジグ単専用。水切れが良く悪条件に強い。
0.2〜0.3号:汎用性が高くバランス良好。3gまでのプラグも対応。
0.4〜0.6号:重めのリグ向け。10g前後の仕掛けに最適。
おすすめPEライン5選
ここからは、アジングでの実績と信頼性に基づいて厳選したおすすめPEラインを紹介します。それぞれ異なる特徴を持っているので、あなたの釣りスタイルに合わせて選択してください。
月下美人デュラヘビー
ダイワの「UVF 月下美人デュラヘビー×4+1+Si2」は、4本のPEに高比重なFEP1本を芯線として使用したPEラインです。高比重PEラインのため軽量ジグ単の釣りにも使いやすく、密な編み込みとシリコンコーティングによる高い耐摩耗性も魅力です。
ナイトゲームの視認性も膨張色のホワイトピンクで良好で、ジグ単の釣りも強度のあるPEで挑戦したい方におすすめできるアイテムです。高比重設計により風の影響も受けにくく、エステルライン感覚で使える強いラインとして人気があります。
- ジグ単でも強度が欲しい人
- 高比重PEを試したい人
- 風の強い日によく釣行する人
- 信頼できるブランドを選びたい人
- 耐摩耗性を重視する人
The ONE アジング
DUELの「The ONE アジング」は、編み込まずに単線で作られている特殊なPFラインです。従来のPEラインとは異なる製法により、強度を維持しながら細く伸度を抑えて作られているため、非常に高い感度を実現しています。
比重は一般的なPEラインと同様ですが、たるんだ状態でもアタリを検知できる感度を備えている点が大きな特徴です。エステルラインより3倍の感度があるとされ、アジングラインの常識を変える革新的な製品として注目されています。
- 最高レベルの感度を求める人
- 革新的なラインを試したい人
- リーダーレスで使いたい人
- ライントラブルを減らしたい人
- 新しい技術に興味がある人
エックスブレイド アップグレードX4
よつあみの「エックスブレイド アップグレードX4」は、相反する耐摩耗性と直線強力を世界最高レベルで実現したPEラインです。独自技術によって高密度編みでも高い直線強力を維持しており、信頼性の高い製品として多くのアングラーに支持されています。
一般的に高密度で編むと直線強力が落ち、低密度で編むと耐摩耗性が落ちるという問題がありますが、この製品はその常識を覆す画期的な技術で両立を実現しています。
- 最高品質のPEを求める人
- 耐摩耗性を重視する人
- 根の多いポイントで釣りをする人
- 長期間使用したい人
- 技術力の高いメーカーを選びたい人
弾丸ブレイド ライトゲーム専用
メジャークラフトの「弾丸ブレイド ライトゲーム専用」は、低伸度かつ高感度ながら手に取りやすい価格が人気のPEラインです。適度なハリがあるため、ライトゲームで起こりがちなガイドへの絡みが軽減されます。
低価格なので頻繁に巻き替えやすいのも魅力で、コストを気にせずに使用できます。初心者がPEラインを試してみたい場合や、コストパフォーマンスを最重視したい場合におすすめの製品です。
- 初めてPEラインを使う人
- コストパフォーマンスを重視する人
- 頻繁に巻き替えたい人
- ライントラブルを減らしたい人
- 手軽にPEラインを試したい人
ティクト ライム(高比重PE)
ティクトの「ライム」は、0.3号で比重1.35、0.4号で比重1.30に設計されたシンキングPEです。風が強い状況でも軽いジグヘッドを水中に馴染ませられ、その動きをしっかりと把握できます。
適度なハリがありアタリもダイレクトに伝えてくれるため、高比重PEの特性を活かしたい場合に最適です。エステルラインの感覚でPEラインの強度を活用したいアングラーに人気の製品となっています。
- 高比重PEを本格的に使いたい人
- 風の強いポイントで釣りをする人
- エステル感覚でPEを使いたい人
- アジング専門メーカーの製品を使いたい人
- 潮馴染みの良さを重視する人
特定条件下で活躍!フロロカーボンライン
フロロカーボンラインは、かつてジグ単のアジングで広く使われていましたが、現在では感度や飛距離で優れるエステルラインや高比重PEラインに取って代わられることが多くなっています。しかし、特定の状況では今でも効果を発揮する重要なラインです。
特に根の多い磯場や風の強い日、深場でのアジングにおいて、フロロカーボンラインの特性が活かされます。

フロロカーボンラインの特徴とメリット・デメリット
フロロカーボンラインの最大のメリットは、比重の高さによる沈みやすさと優れた耐摩耗性です。比重が約1.78と高いため、風が強い日や潮の流れが速いポイント、深い水深での釣りでは仕掛けをしっかり沈めやすく、安定した操作感を得られます。
また、太い号数のフロロカーボンラインを使う場合、リーダーを省いて直結できるのも利点です。特に初心者にとっては結束の手間を省き、釣りをシンプルに楽しむことができます。
メリット | デメリット |
---|---|
比重が高く沈みやすい
耐摩耗性が高い
リーダーなしで直結可能
根ズレに強い
魚に見切られにくい
|
感度が劣る
硬くて扱いにくい
糸グセがつきやすい
バックラッシュしやすい
飛距離が出にくい
|
一方で、フロロカーボンラインは硬さゆえに扱いにくい面もあります。スプールに巻いた際に糸グセがつきやすく、バックラッシュやトラブルが発生しやすいことがデメリットです。また、感度や飛距離ではエステルラインやPEラインに劣るため、現在では限定的な使用となっています。
フロロカーボンラインの太さ(号数)選び
アジングで使われるフロロカーボンラインの号数は0.3〜0.8号程度です。0.6号を基準として、用途に応じて太さを調整するのがおすすめです。
0.3〜0.4号は軽量ジグ単の釣りに向きますが、強度は低いのでドラグ調整なども必要になります。0.5〜0.6号は汎用的に使える号数で、根ズレなどにも強く、リーダーなしでも最低限使える太さです。
フロロカーボンライン号数別特徴
0.3〜0.4号:軽量ジグ単向け。ドラグ調整必須。
0.5〜0.6号:汎用性が高く初心者にもおすすめ。
0.7〜0.8号:重いリグや根の多い釣り場向け。
また、フロロカーボンラインもエステルライン同様、感度重視の硬めのタイプと、トラブルの少ない柔らかいラインで使用感が変わってきます。巻き癖などもつきやすい素材なので、どちらかといえばしなやかなものがおすすめです。
おすすめフロロカーボンライン3選
ここからは、特定条件下でのアジングに適したおすすめフロロカーボンラインを紹介します。それぞれ異なる特徴を持っているので、あなたの釣り場環境に合わせて選択してください。
シーガー R18 フロロリミテッド
シーガーの「R18 フロロリミテッド」は、しなやかさがあり扱いやすく、それでいて強度も高い高品質なフロロカーボンラインです。ライントラブルも少なくトータルバランスの良いラインで、フロロカーボンラインならではの信頼性を求めるアングラーに最適です。
シーガーはフロロカーボンラインの老舗ブランドとして長年の実績があり、品質の安定性も抜群です。アジング向けのフロロカーボンラインを探している場合の第一選択肢としておすすめできる製品です。
- 信頼できるブランドを選びたい人
- 扱いやすいフロロを求める人
- 根の多いポイントで釣りをする人
- リーダーレスで使いたい人
- 品質の安定性を重視する人
ハードコア アジ・メバルFC
デュエルの「ハードコア アジ・メバルFC」は、リーズナブルで扱いやすいライトゲーム用フロロカーボンラインです。トラブルが起きにくいようしなやかかつ、小さなアタリもキャッチできるよう低伸度に設計されています。
フロロカーボンラインの中でも使いやすい部類のラインで、初めてフロロカーボンラインを使用する方にも適しています。価格も手頃なため、コストパフォーマンスを重視したい場合にもおすすめです。
- 初めてフロロを使う人
- コストパフォーマンスを重視する人
- 扱いやすさを求める人
- トラブルレス性を重視する人
- 手軽にフロロを試したい人
ソルティメイト スモールゲームFC II
サンラインの「ソルティメイト スモールゲームFC II」は、やや硬めでハリのある糸質に設計されたフロロカーボンラインです。硬さゆえにラインを直線軌道にしやすく、特にフォール中の感度は抜群です。
3層コーティングと耐塩水コーティングにより、ガイドとの摩擦抵抗が少なくてルアーがよく飛びます。感度を重視したいアングラーや、フロロカーボンラインでも高い操作性を求める場合におすすめの製品です。
- フロロでも感度を重視したい人
- フォール中のアタリを取りたい人
- 飛距離を重視する人
- ハリのあるラインを好む人
- 高品質なフロロを求める人
アジング用ラインの基本知識
ここまで具体的なライン選択について解説してきましたが、なぜアジングにはこれほど繊細なライン選びが必要なのでしょうか?アジングの基本的な特性と、ライン選びの重要性について改めて整理しておきましょう。

アジングで求められるラインの特性
アジングは1g前後の軽量ジグヘッドとワームを使用する繊細な釣りが中心で、魚のアタリを的確にキャッチして即座にアワセを入れる必要があります。そのため、伸びが少なく感度の高いラインが選ばれることが一般的です。
また、捕食ベイトやポイントの状況に応じて、少し重いジグヘッドやプラグ、遠投が利くフロートリグ、キャロライナリグを使う場面もあり、釣り方に応じたライン選びも重要になります。一つのラインですべてをカバーするのは困難なため、複数のラインを使い分けることが釣果向上の鍵となります。
ライン選びで釣果に差が出る理由
アジングにおいてライン選びが釣果に直結する理由は、アジのアタリが非常に繊細だからです。時には触れる程度の軽いアタリしかない場合もあり、ラインの感度が1段階違うだけで釣果に大きな差が生まれます。
特にナイトゲームやマズメ時では、視覚的な情報が限られるため手感度に頼る場面が多くなります。この時にラインの選択を間違えると、せっかくのアタリを見逃してしまい、結果的に釣果に大きな差が生まれてしまいます。
また、ラインの視認性も重要な要素です。暗い中でラインの動きを目で追えるかどうかで、微細なアタリの察知能力が大きく変わります。適切なカラーのラインを選択することで、手感度と目感度の両方を活用した効率的なアジングが可能になります。
アジングに適したライン素材とは
アジングで使われるライン素材は、エステルライン、PEライン、フロロカーボンラインの3種類が主流です。一方で、釣り糸としてポピュラーな素材のナイロンラインは柔らかくて伸びやすく、繊細なアタリを捉えるのが難しいためアジングにはあまり適していません。
素材 | 比重 | 伸び率 | 主な用途 | 感度 |
---|---|---|---|---|
エステル | 1.38 | 21% | ジグ単メイン | ◎ |
PE | 0.97 | 3.5% | オールラウンド | ◎(張った状態) |
フロロカーボン | 1.78 | 24.5% | 特定条件下 | ○ |
ナイロン | 1.14 | 25.5% | ほとんど使用しない | △ |
それぞれの素材には異なる特性があり、釣り方や使うルアーに合わせて選ぶ必要があります。海水の比重は約1.02なので、比重1.02以上で沈み、1.02以下で浮くという基本的な性質も理解しておきましょう。
釣り方別ライン選択ガイド
アジングには様々な釣り方があり、それぞれに最適なライン選択が存在します。ここでは代表的な3つの釣り方について、最適なライン選択を詳しく解説します。
ジグ単アジングのライン選び
ジグ単(ジグヘッド単体)アジングは、アジングの基本にして最も繊細な釣り方です。1g前後の軽量ジグヘッドを使用するため、感度と操作性を最重視したライン選択が必要になります。
最適なラインはエステルラインで、特に0.3号を基準として0.2〜0.4号を使い分けます。豆アジメインなら0.2号、大型狙いなら0.4号といった具合に調整しましょう。
代替案として高比重PEラインも有効で、エステルラインの切れやすさが気になる場合におすすめです。The ONE アジングのような革新的なラインも、ジグ単での使用に適しています。
キャロライナリグ・フロートリグのライン選び
キャロライナリグやフロートリグは、遠投性能と感度の両立が求められる釣り方です。重量のあるシンカーやフロートを遠投するため、強度のあるPEラインが最適です。
おすすめはPEライン0.4〜0.6号で、10g前後の仕掛けを投げる場合は0.6号が安心です。月下美人デュラヘビーやエックスブレイド アップグレードX4など、高品質なPEラインを選択しましょう。
また、この釣り方ではリーダーも太めの1〜2号を使用し、遠投時の負荷に耐えられるよう結束強度の高いFGノットなどで結びます。
メタルジグのライン選び
メタルジグを使用したアジングでは、ルアーの重量と遠投性能を考慮してライン選択を行います。3〜10g程度のメタルジグが中心となるため、PEライン0.3〜0.6号が適しています。
メタルジグはボトムや障害物への接触が多いため、耐摩耗性に優れたエックスブレイド アップグレードX4などがおすすめです。また、根の多いポイントではフロロカーボンラインを直結で使用する選択肢もあります。
アジング用ショックリーダーの基礎知識
アジングにおいて、PEラインやエステルラインを使用する場合、ショックリーダーは欠かせません。リーダーの役割と正しい選び方について詳しく解説します。

ショックリーダーの役割と必要性
ショックリーダーの最も重要な役割は、アワセ切れや根ズレによるラインブレイクを防ぐことです。特にエステルラインは瞬間的な力に弱く、PEラインは耐摩耗性が低いため、フロロカーボン製のリーダーが必須となります。
また、リーダーがあることで魚とのやり取りでクッション効果を発揮し、アジの口切れも防いでくれます。特に大型のアジがかかった際は、リーダーの有無が釣果を左右することも珍しくありません。
リーダーの太さと長さの決め方
リーダーの太さはメインラインの2〜3倍を目安にします。エステルライン0.3号なら0.6〜0.8号、PEライン0.2号なら0.6号程度のフロロカーボンリーダーが適しています。
長さは30〜50cmが目安で、短いほど感度が良くなりますが、根ズレでの切断やエステルでのアワセ切れのリスクが高まります。一方、長すぎるとキャスト時にガイドを通過する際のトラブルの原因となるため、バランスが重要です。
メインライン | リーダー太さ | リーダー長さ | 用途 |
---|---|---|---|
エステル0.2号 | フロロ0.6号 | 30〜40cm | ジグ単 |
エステル0.3号 | フロロ0.6〜0.8号 | 40〜50cm | ジグ単 |
PE0.2〜0.3号 | フロロ0.8〜1号 | 50〜60cm | ジグ単〜軽めのリグ |
PE0.4〜0.6号 | フロロ1〜2号 | 60〜80cm | キャロ・フロート |
結束ノットの種類と使い分け
リーダーとメインラインの結束ノットは、釣り方と求める強度によって使い分けます。ジグ単であれば簡単なノットで十分ですが、遠投する仕掛けでは高強度のノットが必要です。
ジグ単におすすめのノット:
- トリプルエイトノット:簡単で強度も十分
- トリプルサージャンスノット:さらに簡単で初心者向け
- 3.5ノット:バランスの取れた結び方
フロートリグなど遠投におすすめのノット:
- FGノット:最高レベルの結束強度
- SCノット:FGノットより簡単で強い
- PRノット:専用ツール使用で確実
エステルを使ったアジングでは釣り場でリーダーを組み直すことも多いので、強い風など悪条件下でも結びやすいノットアシストツールの活用もおすすめです。
アジング用ラインのトラブル対策
アジング用ラインは繊細なため、適切な知識とメンテナンスが長持ちの秘訣です。よくあるトラブルとその対策方法について解説します。
よくあるライントラブルと対処法
最も多いトラブルはバックラッシュです。特にエステルラインは硬いため発生しやすく、対策として手元の糸ふけを取り除いてから巻き始めるラインメンディングが有効です。また、キャスト前にはラインの状態を必ず確認しましょう。
PEラインではガイドへの絡みが問題になることがあります。これは適度なハリのあるラインを選択することで軽減できます。また、風の強い日は無理をせず、太めのラインや高比重ラインに変更することも重要です。
ラインの劣化サインと交換時期
エステルラインは劣化が早い素材のため、釣行ごとにこまめにカットしながら使うのが基本です。表面がザラザラしてきたり、変色が見られたら交換のサインです。
PEラインは寿命が長いですが、コーティングが剥がれて毛羽立ちやすくなったら定期的にカットします。表面の滑らかさがなくなってきたら交換を検討しましょう。
フロロカーボンラインは巻き癖がつきやすいのが特徴で、スプールから出した時に大きくカールするようになったら交換時期です。
保管方法とメンテナンス
ラインは直射日光を避けて冷暗所で保管することが基本です。特に紫外線はラインの劣化を促進するため、釣行後は必ず日陰で乾燥させてから保管しましょう。
また、塩分の除去も重要です。釣行後は真水でリールごと軽く洗い、塩分を除去してから乾燥させます。この一手間でラインの寿命は大幅に延びます。
アジング用ライン選びのよくある質問
アジング用ライン選びでよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
初心者におすすめのラインは?
初心者にはD-PET AJINGの0.3号がおすすめです。エステルラインの中でも扱いやすく、それでいて十分な感度を持っています。価格も手頃で、失敗を恐れずに使用できます。
PEラインを試したい場合は弾丸ブレイド ライトゲーム専用の0.3号が良いでしょう。低価格でありながら必要な性能を備えています。
ラインの巻き替え頻度は?
エステルラインは月1〜2回の釣行で交換が目安です。PEラインは3〜6ヶ月程度、フロロカーボンラインは2〜3ヶ月程度が交換の目安となります。
ただし、これらは使用頻度や保管状況によって大きく変わるため、ラインの状態を定期的にチェックすることが重要です。
夜釣りでの視認性重視ならどのカラーが良い?
夜釣りではホワイト、ピンク、イエローなどの明るいカラーがおすすめです。特にアンサー ルミナシャインのような集光機能付きのラインは、常夜灯下で優れた視認性を発揮します。
また、鯵の糸 ワンモアのようにUVライトで発光するラインも、ライン操作を目視で確認したい場合に有効です。
まとめ
アジング用ライン選びは、釣果を左右する最重要要素の一つです。釣り方、ターゲットサイズ、釣り場環境、視認性、コストパフォーマンスの5つのポイントを押さえることで、あなたに最適なラインが見つかるはずです。
ジグ単アジングにはエステルライン、重めのリグにはPEライン、特定条件下ではフロロカーボンラインと、それぞれの特性を理解して使い分けることが重要です。
特に初心者の方は、まずD-PET AJINGの0.3号から始めて、慣れてきたらThe ONE アジングなどの高性能ラインにステップアップすることをおすすめします。
適切なライン選択により、今まで取れなかった微細なアタリもキャッチできるようになり、釣果の向上が期待できます。ぜひ本記事を参考に、あなたのアジングライフをより充実させてください。
