ヘチ釣りでチヌを確実に釣り上げるためには、専用のヘチ竿選びが最も重要なポイントです。しかし、「どのヘチ竿がおすすめなのかわからない」「本当に最強の竿はどれ?」といった疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。
ヘチ竿は落とし込み竿や前打ち竿とは全く異なる特性を持ち、専用竿を使うかどうかで釣果に雲泥の差が生まれます。長さ・硬さ・重量・穂先素材・ガイド仕様・肘当ての有無など、選ぶべきポイントを理解すれば、自分に最適な1本を見つけることができます。
本記事では、2万円未満のエントリーモデルから4万円以上のハイエンドモデルまで、価格帯別におすすめヘチ竿9選を厳選してご紹介します。

ヘチ竿とは?落とし込み竿・前打ち竿との違いも解説
引用:ダイワ
ヘチ釣りは、堤防の壁際にエサを落とし込んでクロダイ(チヌ)を狙う釣り方です。シンプルな仕掛けと短竿を使って、岸壁スレスレを探るのが特徴で、道具が少なく手軽に始められることから多くの釣り人に愛されています。
ヘチ竿は、この釣りに特化して設計された専用竿であり、繊細なアタリを感じ取る高感度な穂先と軽量設計が最大の特徴です。堤防の壁に付着したカラスガイやカニなどを捕食するチヌの習性を利用し、自然にエサが剥がれ落ちる様子を演出することで釣果を上げます。

ヘチ竿の特徴とヘチ釣りについて
ヘチ竿の最大の特徴は、2.4~3m程度の短い竿身にあります。これは堤防の際を効率よく探るため、また長時間の釣行でも疲れにくくするための設計です。穂先にはグラスソリッドが採用されることが多く、チヌの微細なアタリを手元に伝えてくれます。
また、多くのヘチ竿には肘当てが標準装備されており、これにより穂先のブレを抑制し、より正確なアタリを感じ取ることができます。ガイドは糸の通りを良くするため小口径が多数配置され、軽い仕掛けでもスムーズに落とし込める工夫が施されています。
ヘチ竿の特徴 | メリット |
---|---|
短竿設計(2.4~3m)
軽量設計
高感度グラスソリッド穂先
|
疲れにくい
操作性が良い
微細なアタリを感知
|
落とし込み竿との違い
ヘチ竿と落とし込み竿の最大の違いは長さとガイドの形状です。落とし込み竿は一般的に5m前後の長竿で、目印を使った釣りに特化しています。一方、ヘチ竿は目印を使わずに穂先や道糸の変化でアタリを取るため、より短い竿が適しています。
ガイドにも大きな違いがあります。落とし込み竿はUガイドが多用され、糸フケが出にくい設計になっています。しかし、ヘチ釣りでは糸を自然に送り出す必要があるため、丸いガイドが採用されており、糸滑りの良さが重視されています。
Uガイドとは?
Uガイドとは、ガイドの形状がU字型になっているもので、ラインがガイドから外れにくく、糸フケを抑制する効果があります。しかし、糸滑りが悪くなるため、ヘチ釣りには不向きとされています。
前打ち竿との違い
前打ち竿とヘチ竿の決定的な違いは使用する釣り場とアプローチ方法です。前打ちは堤防の基礎部分やテトラの沖を狙うため、4~5.3mの長竿が主流となります。これに対してヘチ釣りは堤防の際メインなので、2.4~3m程度の短竿が適しています。
また、前打ち竿は落とし込み竿と同様にUガイドを搭載するものが一般的で、目印を使った釣りにも対応しています。ヘチ竿は前述の通り丸いガイドが基本で、より繊細なアプローチに特化した設計となっています。
ヘチ竿の選び方|絶対に確認すべき6つのポイント
引用:ダイワ
ヘチ竿選びで失敗しないためには、釣り場の状況と自分の釣りスタイルに合った竿を選ぶことが重要です。長さ・硬さ・軽さ・穂先の素材・ガイドの種類・肘当ての有無という6つのポイントを押さえることで、理想的なヘチ竿を見つけることができます。
特に初心者の方は、これらの基準を理解してから購入することで、後悔のない竿選びができるでしょう。価格帯によって搭載される機能が大きく異なるため、予算と必要な機能のバランスを考慮することも大切です。

長さは3mを基準に釣り場に合わせて選ぶ
ヘチ竿の長さは2.4~3.5m程度が一般的で、3mを基準に釣り場の条件に合わせて選択するのがおすすめです。短い竿は軽量で取り回しやすく、長時間の釣行でも疲れにくいメリットがあります。一方、長い竿は高い堤防でも風の影響を受けにくく、アタリを取りやすいという特徴があります。
足場の低い場所や小規模な堤防では2.4~2.7mが適しており、足場の高い沖堤防や大型の堤防では3~3.5mが有効です。また、中には長さを変えられるズーム機構を搭載したロッドもあり、様々な釣り場に対応できる便利な機能として注目されています。
短竿(2.4~2.7m) | 標準(3m前後) | 長竿(3.5m) |
---|---|---|
軽量で疲れにくい
操作性抜群
高い堤防は不利
|
バランスが良い
オールラウンド
初心者におすすめ
|
高い堤防に有利
風に強い
重量が増加
|
硬さは釣り場の障害物に応じて決める
ヘチ竿の硬さ選びは釣り場の障害物の状況によって決めるのが基本です。柔らかい竿は障害物の少ない場所に適しており、細いハリスが切れにくく、チヌの引きを存分に楽しめる特徴があります。逆に、スリットなどの障害物が多い場所では、チヌを素早く浮かせられる硬めの竿が必要不可欠です。
初心者の方には中硬調(MH)がおすすめで、様々な状況に対応できるバランスの良さが魅力です。上級者になると釣り場に応じて硬さの異なる複数の竿を使い分けることも多く、軟調(M)はオープンエリア用、硬調(H)はスリット攻略用といった具合に使い分けています。
沖堤防のスリット周りでヘチ釣りをする場合
硬調の竿なら一気に浮かせてスリットから引き離せる
軽さ重視|長時間の釣行に影響する
ヘチ釣りは1日中竿を持って歩き回る釣りのため、軽い竿を選ぶことが非常に重要です。高額な竿ほど軽量化が進んでいる傾向にあり、予算が許す範囲でできるだけ軽いものを選ぶことをおすすめします。特に女性や体力に自信のない方にとって、竿の重量は釣果に直結する要素となります。
一般的なヘチ竿の重量は120~180g程度で、120g台であれば軽量、150g以上になると重量を感じやすくなります。カーボン含有率が高い竿ほど軽量になる傾向があり、ハイエンドモデルでは100g台前半という驚異的な軽さを実現している製品もあります。
穂先の素材|グラスソリッドがスタンダード
ヘチ竿の穂先にはグラスソリッドが採用されることが多く、これがスタンダードとなっています。グラスソリッドはチヌの微妙なアタリを明確に表現し、穂先折れなどのトラブルにも強い特性があります。メーカーによっては、状況に応じて硬さの異なる替え穂先をラインナップしている製品もあります。
一部の高級機種ではチタン合金製穂先を搭載するモデルも発売されており、グラスよりもさらに高感度で破損に強い特徴があります。ただし、グラスとチタンは性格が大きく違うため、一概に「チタンが良い」というわけではなく、玄人でも好みが分かれるところです。
チタン合金製穂先とは?
チタン合金製穂先は、チタンとその他の金属を組み合わせた合金で作られた穂先です。グラスソリッドよりも軽量で感度が高く、折れにくい特徴がありますが、価格が高く、食い込みの良さではグラスに劣るとも言われています。
ガイドの種類|SiCガイドで糸落ちが向上
高価なヘチ竿にはSiCリングが採用されており、摩擦が少なくて糸抜けが良好になります。これにより軽い仕掛けでもスムーズに落とし込むことができ、ラインへのダメージも軽減されます。価格の目安として、2万円程度の価格帯からSiCガイドが搭載されるようになることが多いです。
エントリーモデルでは通常のステンレスガイドが使用されていますが、十分に実用的です。ただし、冒頭でも触れたように、Uガイドを搭載している落とし込み竿は糸滑りが悪く、ヘチ釣りには適さないので間違えないよう注意が必要です。
肘当ての有無|安定性が大幅に向上
グリップエンドに肘当てが付いていると、やりとり中に竿がブレにくくなり、安定したやりとりが可能になります。また、仕掛けを落とす際にも穂先がブレないため、より自然に仕掛けを落とし込むことができます。特別なこだわりがない限り、肘当てありの製品を選ぶことをおすすめします。
ただし、持ち方によっては邪魔になる場合もあるため、可能であれば実際に持ってみて確認するのがベストです。肘当ての素材も木製・樹脂製・金属製など様々で、それぞれ重量や感触が異なります。
- 長さは釣り場の足場の高さで決める
- 硬さは障害物の有無で判断する
- 軽量な竿ほど長時間釣行が楽
- グラスソリッド穂先が基本
- SiCガイドがあると快適
最強のへチ竿おすすめランキング9選【価格帯別】
ヘチ竿は価格帯によって搭載される機能や性能が大きく異なります。
2万円未満のエントリーモデルから4万円以上のハイエンドモデルまで、それぞれの価格帯で特におすすめできる製品を厳選しました。
初心者の方はまずエントリーモデルから始めて、慣れてきたら上位機種への買い替えを検討するのが賢明な選択です。各製品の特徴や適した釣り場、どんな人におすすめかを詳しく解説していますので、自分に最適な1本を見つけてください。
価格と性能のバランスを考慮し、長く愛用できるヘチ竿選びの参考にしていただければと思います。

【2万円未満】コスパ最強のおすすめヘチ竿3選
ヘチ釣り入門には2万円未満のエントリーモデルが最適です。基本性能をしっかりと備えながらリーズナブルな価格を実現しており、初心者でも安心して使用できます。上位機種と比べると重量や機能面で劣る部分もありますが、ヘチ釣りの楽しさを十分に味わえる性能を持っています。まずはこの価格帯で経験を積み、釣りスタイルが固まってから上位機種を検討することをおすすめします。
プロマリン 銀竜ヘチ 270
リーズナブルな価格設定ながらヘチ釣りに必要な基本性能をしっかりと備えた入門向けの代表的な製品です。繊細な穂先と軽量高感度な設計により、小さなアタリも逃しません。肘当ても標準装備されており、竿を保持しやすく穂先のブレを抑制してくれます。
この竿の最大の魅力は1万円を切る価格でヘチ釣りを始められることで、初心者が気軽にチャレンジできる敷居の低さにあります。グラスソリッド穂先の感度も十分で、ベテランのサブロッドとしても人気があります。重量は145gとエントリーモデルとしては標準的ですが、コストパフォーマンスは抜群です。
- ヘチ釣りを始めてみたい初心者
- 予算を抑えて道具を揃えたい人
- サブロッドが欲しいベテラン
- 子供用の竿を探している人
- たまにしか釣りに行かない人
ダイワ BJ スナイパー ヘチX XH-240
9:1の先調子に設計されており、操作性と感度に優れる本格的なエントリーモデルです。オリジナルのステンレス製肘当てはホールド力が抜群で、安定したやりとりが可能です。トップガイドはSiC仕様なので糸抜けがよく、ラインへの負担も軽減してくれます。
この竿の特徴はソリッドの穂先が取り外せる仕様になっていることで、万が一破損しても比較的リーズナブルに交換できるメリットがあります。大手メーカーのダイワ製という安心感もあり、アフターサービスも充実しています。重量は138gと軽量で、長時間の釣行でも疲れにくい設計となっています。
- 大手メーカーの安心感を重視する人
- 軽量な竿で長時間釣りをしたい人
- SiCガイドの恩恵を受けたい人
- アフターサービスを重視する人
- 操作性を重視したい人
宇崎日新 プロステージ ナンバー 2WAY 攻堤ヘチ
繊細なアタリを明確に捉えるソフトな穂先が特徴の竿です。節の合わせ部に螺旋状の補強材を構成する設計により、曲がった時のパワーロスを軽減しています。最大の特徴はズームタイプで長さの調節ができることで、釣り場や状況に合わせて使い分けることが可能です。
2.4mから2.7mまで調整できるため、足場の低い場所から高い堤防まで1本で対応できる便利さがあります。重量は125gと軽量で、3本継の設計により持ち運びも便利です。ただし肘当てが付属していない点には注意が必要ですが、多様な釣り場に対応できるコストパフォーマンスは非常に高いです。
- 様々な釣り場に通いたい人
- 1本で複数の状況に対応したい人
- 軽量な竿を求める人
- 持ち運びを重視する人
- 多機能な竿が欲しい人
【2〜4万円】バランス重視のおすすめヘチ竿3選
2~4万円の価格帯は性能と価格のバランスが最も優れたミドルクラスです。エントリーモデルの基本性能に加えて、SiCガイドやより高品質な素材、軽量化技術などが投入されています。本格的にヘチ釣りを楽しみたい方や、エントリーモデルからのステップアップを考えている方に最適な価格帯といえます。この価格帯であれば、上級者でも十分に満足できる性能を期待できます。
宇崎日新 極技 攻ヘチ硬式
繊細な穂先と強靭なバットを備えた大型黒鯛に対応できるモデルです。硬調先調子設計になっており、レスポンスに優れ、素早い掛け合わせができます。ガイドは全てSiCリングが搭載され、快適な糸落ちを実現しており、ウッド調の肘当ても標準装備されています。
この竿はスリットなどの障害物が多い釣り場での使用を想定して設計されており、チヌを一気に浮かせるパワーを持っています。硬式というネーミング通り、しっかりとしたバットパワーがありながら、穂先の感度は犠牲にしていない絶妙なバランスが魅力です。重量は155gとやや重めですが、パワーファイトには必要な重量といえます。
- スリット攻略をメインにしたい人
- 大型のチヌを狙いたい人
- パワーのある竿が欲しい人
- SiCガイドの恩恵を受けたい人
- 硬調の竿を好む人
ダイワ ブラックジャック スナイパー ヘチ XH-270MK・V
掛けて一気に浮かせられる9:1の超先調子に設計されたヘチ竿です。ブランクの素材には、東レ株式会社のナノアロイテクノロジーを組み合わせて高強度化・軽量化したHVFナノプラスを採用しています。カーボン繊維を45°方向に配置するX45と継部のパワーロスを防ぐVジョイントアルファも導入されています。
先径0.5mmの極細ソリッド穂先は感度も抜群で、軽さとパワーを両立した設計となっています。重量は156gと標準的で、ダイワの先進技術が惜しみなく投入された製品です。特に技術志向の強い釣り人には、その完成度の高さに満足していただけるでしょう。
- 最新技術を体感したい人
- 軽量とパワーを両立したい人
- 超先調子を好む人
- ダイワブランドを信頼する人
- 高感度な竿が欲しい人
黒鯛工房 黒鯛師 THE ヘチ セレクション XT V-SPEC 285
高感度なチタン穂先を搭載した本格性能のヘチ竿です。従来のグラスソリッドでは取れない微妙なアタリを表現でき、穂先折れなどのトラブルも軽減されています。ブランクには高弾性かつ高強度なカーボンが採用されており、大型のチヌも浮かせられるパワーを備えています。
握りやすくて軽量なオリジナルグリップも搭載されていて、操作性も高いです。黒鯛工房はヘチ釣り専門メーカーとして高い評価を受けており、その技術力の高さがこの竿にも表れています。重量は134gと軽量で、チタン穂先の恩恵を手頃な価格で体験できる貴重な製品です。
- チタン穂先を試してみたい人
- 専門メーカーの技術を体感したい人
- 軽量な竿を求める人
- 高感度を追求したい人
- 操作性を重視する人
【4万円以上】最強性能のおすすめヘチ竿3選
4万円以上のハイエンドモデルは、ヘチ釣りの究極を追求した最強クラスの竿です。最新素材の採用、極限まで追求された軽量化、独自技術の投入など、各メーカーの技術力が結集されています。本格的にヘチ釣りに取り組む上級者や、最高の道具でチヌ釣りを楽しみたい方におすすめです。一度使うとその違いは歴然で、釣果向上にも大きく貢献してくれるでしょう。
ダイワ BJスナイパー MTヘチ 極280
9:1超先調子に設計されたダイワ製ヘチ竿の最上位機種です。HVFナノプラスとX45、Vジョイントを採用したブランクは、細身軽量ながらパワーも兼ね備えています。穂先にはダイワ独自のチタン合金穂先のSMTを搭載しており、しなやかかつ高感度に仕上がっています。
この竿は喰い込みと手感度を高いレベルで両立させており、ダイワの技術力の結晶といえる製品です。重量は155gと軽量で、4本継の設計により携行性も良好です。最上位機種らしく価格は高額ですが、その性能は価格に見合った価値があります。
- 最高峰の性能を求める人
- ダイワの最新技術を体感したい人
- 軽量で高性能な竿が欲しい人
- 携行性も重視したい人
- 予算に余裕のある上級者
黒鯛工房 黒鯛師 THE戦竿ヘチ 硬調 285 T
年無しサイズでも素早く浮かせる圧倒的なパワーを備えたヘチ竿です。胴部分の粘りを増幅させるX構造の高密カーボンを採用し、スリットなどでも強引なやりとりができます。高感度なチタン穂先が標準装備されており、より繊細なアプローチも可能です。
アルミマシンカットのグリップは、たわみが少なくて安心してやりとりが楽しめます。「戦竿」という名前の通り、チヌとの真剣勝負を想定した設計で、重量は162gとやや重めですが、そのパワーは他の追随を許しません。黒鯛工房の技術力が結集された戦闘力最強クラスの竿です。
- 大型チヌを確実に獲りたい人
- スリット攻略をメインにする人
- パワーファイトを楽しみたい人
- 専門メーカーの最高峰を使いたい人
- 真剣勝負を挑みたい上級者
がまかつ がまチヌ へちさぐり銀参郎 アルティメイト MH2.7
銀参郎を超える“極限の性能”に挑んだ、がまかつのフラッグシップモデルです。トレカT1100Gよりも高弾性なトレカM40Xを採用したことで、銀参郎よりもさらに軽くてシャープな使用感を実現しています。それでいながらチヌがヒットしてからはしなやかに曲がり込み、いなしながらスリットから年無しを抜くことができます。
銀参郎では採用されなかったチタンガイドを搭載し、より軽く高感度に作られており、元竿にはベタつき防止処理も施されました。重量は135gと驚異的な軽さで、がまかつの技術力の粋を集めた最高傑作といえるでしょう。価格は最高級ですが、それに見合った極限性能を体感できます。
- 究極の軽さを求める人
- がまかつブランドを信頼する人
- 最高級の道具で釣りをしたい人
- 技術の粋を体感したい人
- 予算を度外視して性能を追求する人
初心者向け必見!ヘチ竿以外に必要な道具一式
ヘチ釣りの魅力の一つは道具立てが非常にシンプルなことです。竿とリール、基本的な仕掛け、エサがあればすぐに釣りを始めることができます。初期投資を抑えながらも本格的なチヌ釣りが楽しめるため、釣り初心者にもおすすめの釣法です。ここでは、ヘチ竿以外に必要な道具について詳しく解説し、初心者でも迷わずに道具選びができるよう、具体的な製品もご紹介します。全て揃えても他の釣りと比べて費用を抑えることができ、手軽に始められることも大きな魅力です。

リール|タイコリールが必須
ヘチ釣りではタイコリールの使用が絶対的な条件となります。このリールはギヤ比1:1の通称タイコ型リールで、スピニングリールなどに比べて大幅に軽く、親指ひとつでスプールを回転させてラインを送り込めます。また、竿とリールを指で挟んでホールドでき、安定した竿さばきが行いやすく、堤防を長時間釣り歩いても疲れにくい設計となっています。
タイコリールの最大の特徴はとにかく回転性能が高いことで、仕掛けの重みだけで回転してエサを落とし込むことができます。親指を当てがってエサの落ちる速度を調整する「サミング」という技術も、タイコリールならではの操作方法です。初心者におすすめなのはプロマリンのバトルフィールド黒鯛BK90NRで、リーズナブルな価格ながら回転性能が抜群です。
ライン|視認性の良いナイロン2号
ヘチ釣りではラインの変化でアタリを取るため、視認性の高いラインが必要不可欠です。蛍光グリーンなどの色付きのナイロン2号が標準的で、遠投する釣りではないため、リールには50~100m巻いておけば十分です。ナイロンライン、フロロカーボン、PEラインの中では、扱いやすくてトラブルの少ないナイロンラインが初心者には最適です。
PEラインは強風と根ズレに弱く、フロロカーボンは視認性が悪いという弱点があり、ライントラブルが起こりやすくなります。慣れないうちは視認性もよく扱いやすいナイロンラインを使用することを強くおすすめします。おすすめはサンラインの黒鯛ISM 落し込み MARK-WINで、マーキング付きでタナの判断もしやすい優秀な製品です。
仕掛け|ハリス・ガン玉・針の選び方
ヘチ釣りの仕掛けは非常にシンプルで、ハリス・ガン玉・針の3つが基本構成となります。ハリスは根ズレに強いフロロカーボンの1.5号が標準で、長さは矢引き(80cm)が基本です。ただし、根の荒い釣り場を底主体に狙う時は1.5mほどと長めに取るケースもあります。
ガン玉は1号、B、2B、3B、4B、5Bを準備しておけば間に合い、主に潮の速さによって使い分けます。潮が速ければ仕掛けを安定させるため重くし、そうでなければナチュラルにエサが落ちるように軽めを使います。針はエサがカラスガイの時はチヌバリの2~4号、カニの時はカイズバリの12~14号がおすすめです。
仕掛けパーツ | 推奨スペック | 選び方のポイント |
---|---|---|
ハリス | フロロ1.5号・80cm | 根ズレに強く、透明で魚に警戒されにくい |
ガン玉 | B~5B各種 | 潮の速さに応じて重さを使い分け |
針 | チヌバリ2~4号 | エサのサイズに合わせてサイズ選択 |
エサ|カラスガイとカニが2大エサ
ヘチ釣りで最もポピュラーなエサはカラスガイ(イガイ)です。釣り人の間ではイガイとも呼ばれ、渡船の乗船前に釣り場近くで採取したり、釣り場で採取します。ただし、足場の高い沖堤防では、タモの先に取り付けて使うイガイ取り器が必要な場合も多いです。カラスガイは非常にポピュラーな貝で、濡れた新聞紙にくるめば1週間ほどは冷蔵庫で保存できます。
カラスガイのほかには、タンクと呼ばれる小型のカニもエサになります。カラスガイを採取する時に一緒に採れるほか、釣具店でエサとして購入できる場合もあります。カラスガイでアタリがない時に、目先を変えて結果が出る場合もあるので、チャンスがあればぜひ試してみたいエサです。どちらのエサを使う場合も、未使用分は網のフタが付いた生かしバケツに入れて海面下に吊るしておくのがベストです。
カラスガイの場合
ハリの向きを反転させてハリ先からフトコロまでぐりぐりと埋め込む
小物|タモ・エサ箱・ライフジャケット
ヘチ釣りでタモは必需品の一つです。長さは堤防の高さに応じて用意する必要がありますが、東京湾の沖堤であれば5.3mあれば問題ありません。枠径は45~50cmが適当で、ヘチ釣りは移動を繰り返すためコンパクトな小継タイプを選ぶことが重要です。ヘチ竿は繊細な作りのため、チヌの抜き上げは厳禁で、必ずタモを使用しましょう。
エサ箱はカニやイガイを入れて持ち運ぶための必須アイテムです。夏場はエサが傷みやすいため、保冷剤を入れるスペースがあるものがおすすめです。また、万一の落水に備えてライフジャケットは必ず着用しましょう。身軽に動ける自動膨張タイプが適しており、移動が多い釣りなので軽量性も重要な要素となります。
- タモ(5.3m・小継タイプ)
- エサ箱(保冷機能付き)
- ライフジャケット(自動膨張式)
- イガイ取り器(高い堤防用)
- 落とし込みベルト(移動用)
ヘチ竿に代用できる竿はある?
ヘチ釣りを始めたいけれど専用竿を買う前に試してみたい、という方もいらっしゃるでしょう。しかし、結論から言うとヘチ釣りにヘチ竿以外の竿を使うのはおすすめしません。繰り返し解説してきた通り、落とし込み竿や前打ち竿では本来のヘチ釣りを楽しむことは困難です。ただし、どうしても代用したい場合や、ルアータックルでチヌを狙いたい場合の選択肢についても解説します。専用竿の重要性を理解した上で、最適な選択をしていただければと思います。

基本的に専用竿以外は非推奨
ヘチ釣りが他の釣りと大きく異なるのは、軽い仕掛けを違和感なく落とし、繊細なアタリを取ることに特化している点です。通常の投げ竿やルアーロッドでは、仕掛けが軽すぎて竿の反発力でうまく落とし込むことができません。また、穂先の感度もヘチ釣り専用に調整されているため、他の竿では微細なアタリを感じ取ることが困難です。
特に落とし込み竿のUガイドは糸滑りが悪く、ヘチ釣りには全く適していません。前打ち竿は長すぎて操作性が悪く、近距離の壁際を精密に攻めることができません。磯竿やルアーロッドも同様で、ヘチ釣りの繊細さには対応できないのが現実です。結果的に釣果が上がらず、ヘチ釣りの本当の楽しさを味わうことができなくなってしまいます。
ガンクロという選択肢
もし、ルアータックルを使って岸壁のチヌを狙いたいなら、ガンクロというメソッドがおすすめです。ガンクロはヘチ釣りと落とし込みの中間的な釣り方で、エギングロッドやライトゲームロッドで楽しむことができます。ジグヘッドに虫エサを付けて岸壁沿いを探る釣法で、ルアーマンでも手軽にチヌを狙えます。
ガンクロの魅力は既存のルアータックルが流用できることで、新たに専用竿を購入する必要がありません。ただし、これは厳密にはヘチ釣りとは異なる釣法であり、本格的なヘチ釣りとは別物と考えるべきです。ガンクロで岸壁のチヌ釣りに興味を持ったら、次のステップとして本格的なヘチ釣りに挑戦することをおすすめします。
ガンクロとは?
ガンクロとは「ガン玉+クロダイ」の略で、ジグヘッドにガン玉を追加し、虫エサを付けて岸壁沿いを探る釣法です。ルアータックルでチヌを手軽に狙える方法として人気が高まっています。
ヘチ竿のよくある質問
ヘチ竿に関してよく寄せられる質問をまとめました。初心者の方が疑問に思いやすいポイントから、上級者でも迷いがちな竿選びのコツまで、実際の釣り場で役立つ情報を中心に回答しています。これらの質問と回答を参考にして、自分に最適なヘチ竿を見つけてください。購入前の不安を解消し、安心してヘチ釣りライフを始められるよう、具体的で実践的な情報をお伝えします。

初心者におすすめのヘチ竿は?
初心者にはダイワ BJ スナイパー ヘチX XH-240がおすすめです。大手メーカーの安心感とアフターサービス、そしてSiCガイド搭載で2万円未満という優秀なコストパフォーマンスが魅力です。操作性と感度のバランスも良く、初心者でも扱いやすい設計となっています。
さらに予算を抑えたい場合はプロマリン 銀竜ヘチ 270も選択肢になります。1万円を切る価格でヘチ釣りを始められるため、お試しで始めたい方には最適です。どちらの竿も肘当て付きで、初心者が陥りがちな穂先のブレを抑制してくれます。重要なのは、安すぎる竿よりも、基本性能がしっかりした竿を選ぶことです。
最強のヘチ竿はどれ?
現在販売されているヘチ竿の中で最強クラスといえば、がまかつ がまチヌ へちさぐり銀参郎 アルティメイト MH2.7が挙げられます。がまかつの技術力の粋を集めた最高傑作で、135gという驚異的な軽さと極限の感度を実現しています。価格は最高級ですが、それに見合った極限性能を体感できます。
パワー重視なら黒鯛工房 黒鯛師 THE戦竿ヘチ 硬調 285 Tも最強候補です。年無しサイズでも素早く浮かせる圧倒的なパワーを備えており、スリット攻略では無類の強さを発揮します。最強の定義は人それぞれですが、これらの竿は間違いなく現在の技術の最高峰を表しています。
ヘチ竿の寿命は?
ヘチ竿の寿命は使用頻度と取り扱い方法によって大きく左右されます。月1~2回程度の使用であれば、適切にメンテナンスすることで10年以上使用することも可能です。ただし、グラスソリッド穂先は消耗品的な側面もあり、5~7年程度で交換が必要になる場合もあります。
寿命を延ばすポイントは使用後の水洗いと完全乾燥です。特に海水の塩分が残ったままだと、ガイドやリールシートの腐食が進行します。また、穂先への過度な負荷は避け、大型魚とのやりとりでは竿全体を使って負荷を分散させることが大切です。高級竿ほど軽量化のために肉厚を薄くしているため、取り扱いには特に注意が必要です。
メンテナンス方法は?
ヘチ竿のメンテナンスは使用後の水洗いが基本です。真水でしっかりと塩分を洗い流し、完全に乾燥させることが最も重要です。特にガイド部分は塩噛みしやすいため、念入りに洗浄しましょう。乾燥後は風通しの良い場所で保管し、直射日光は避けるのが基本です。
定期的なメンテナンスとしては、リールシートの締付け具合の確認と、ガイドの歪みや傷のチェックが重要です。穂先のソリッド部分にクラックが入っていないかも定期的に確認しましょう。また、継ぎ部分にはワックスを薄く塗布することで、スムーズな着脱と固着防止ができます。年に1回程度は釣具店での点検もおすすめです。
まとめ|目的に合ったヘチ竿でチヌ釣りを楽しもう
ヘチ釣りはシンプルな道具立てでチヌとのダイレクトなやりとりを楽しめる魅力的な釣りです。適切なヘチ竿を選ぶことで、釣果は劇的に向上し、この釣りの本当の面白さを体感することができます。初心者の方はまず2万円未満のエントリーモデルから始めて、経験を積んでから上位機種への買い替えを検討することをおすすめします。
重要なのは釣り場の状況と自分の釣りスタイルに合った竿を選ぶことです。足場の高さ、障害物の有無、ターゲットサイズなどを考慮して、最適な長さと硬さの竿を選択しましょう。また、ヘチ竿以外の必要な道具も忘れずに揃え、安全に配慮したヘチ釣りを心がけてください。
本記事で紹介した価格帯別おすすめ9選を参考に、自分の予算と求める性能に最適な1本を見つけてください。最高の道具で最高のチヌ釣りライフを楽しんでいただければ幸いです。ヘチ釣りの奥深さと魅力を、ぜひ多くの方に体験していただきたいと思います。

価格帯 | 特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|
2万円未満 |
コスパ抜群
初心者に最適
基本性能充実
|
★★★★★ |
2〜4万円 |
バランス最高
SiCガイド搭載
軽量化技術
|
★★★★☆ |
4万円以上 |
最強性能
最新技術
究極の軽さ
|
★★★☆☆ |
最後に、ヘチ釣りは道具だけでなく技術も重要な釣りです。最高の竿を手に入れたら、実際に釣り場に足を運んで経験を積むことが何より大切です。安全第一で楽しいヘチ釣りライフをお送りください。